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第4回「米国とイスラーム世界フォーラム」が閉幕
リッツカールトン・ドーハ・ホテルで開かれていた第4回米国とイスラーム世界フォーラムが2007年2月19日(月曜日)夜、閉幕した。
参加者たちは3日間にわたり、イスラーム世界と西洋一般、中でも特に米国とを分かつ点について議論するとともに、両者を分断するものと対決することを通じてその溝を埋める共通の基盤を見出そうとした。
中東地域において安全と平和を実現することは、米国とイスラーム世界の歩み寄りを大いに助けることになるという指摘がなされる一方で、一部の参加者たちは、外部からの押し付けではなく内部から生じた意思によって民主主義を適用する必要性を訴えた。
米国とイスラーム世界フォーラムはいくつかの作業グループを通じて、信条と折り合いをなす国家の建設、地域における安全保障のダイナミズム、公共生活における宗教の位置づけ、米国とイスラーム世界の溝を狭めるための努力、この問題を活性化させることにおけるメディアの役割などの重要な問題について検討を行った。またフォーラムと並行して、科学・芸術・文化・技術・ムスリム少数派に関するワークショップが開かれた。
同フォーラムの各作業グループは2日目の18日(日曜日)、イスラーム世界と米国の関係に直接の影響を与えるテーマや問題、用語の検証作業を開始した。
安全保障作業グループは、この地域において変化する安全保障のダイナミズム、及び「対テロ戦争」や「テロリスト」、「ムジャーヒディーン」、「殉教者」、「イスラーム・ファシズム」といった用語が米国とイスラーム世界の関係に与える影響について取り上げた。
政治と宗教作業グループは、公共生活における宗教の位置づけ、国民のために政府をより有効にする方法に関するテーマ、宗教的信条が政治に及ぼす影響の程度について取り上げた。同グループでは、米国とイスラーム世界双方からの専門家が、グローバル化の挑戦や、国民が取り急ぎ必要としているものにおいて宗教が果たすことができる役割などについて話し合った。また、統治権力に対する挑戦、公共生活における推進力としての宗教が取り上げられたほか、選挙における宗教勢力の主な勝因、果たしてそのことが宗教指導者による権力掌握を有権者が望んでいることを示すものか否かといったことが話し合われた。
「経済的・社会的・政治的・市民的課題」と題して開かれた将来の世代作業グループでは、現代の若者の関心、こうした若者たちが情報を獲得し世論を形成するためにインターネットなど最新の通信手段を利用していることについて議論が行われた。同グループはまた、他の国々の若者たちと異なり、ムスリムの若者たちは高学歴の者であってもその多くが様々な理由により職を見つけられないでいるといった失業問題についても取り上げた。そして同グループの参加者は、この問題の解決は、創造的な世代を作り出すとともに、国家と若者自身がその解決を見つけ出すことにあると指摘した。また参加者たちは、労働市場と教育プログラムの適合性を生み出すために雇用主と教育機関の間の連絡経路を発展させることを勧告するとともに、若者たちが自らの利益となるよう自分たちの能力・科学的思考・技術を発展させることができるプログラムを支持する必要があることで意見の一致を見た。
各作業グループごとのセッションの後に「アジアからの見解」と題して開かれた総合セッションでは、アルカーイダ機構やアフガニスタン戦争、パキスタンとインドの間のカシミール問題など、米国の政策の関心の中心にあるアジアの現在の問題が数多く話し合われた。
第4回「米国とイスラーム世界フォーラム」は17日(土曜日)、「我々を分かつものとの対決」をテーマにリッツカールトン・ドーハ・ホテルで開会した。カタル外務省の会議常設委員会とブルッキングス研究所の中東政策スパン・センターが主催する同フォーラムは3日間にわたり開催される。
カタルのシェイク・ハマド・ビンジャーセム・ビンジャブル・アール=サーニー第一副首相兼外相が「文明の対決を如何に回避するか」と題するオープニング・セッションで演説を行い、同フォーラムは、様々な分野で米国とイスラーム世界の間に架け橋を渡すことを妨げている諸問題について議論することになると述べられた。
シェイク・ハマド第一副首相はまた次のように述べられた。「昨年のフォーラムでは、5年後の中東の姿についての様々な展望について議論が集中しました。この地域が苦しんでいる病理を解決するために我々が呼びかけているものと合致する真剣で有効な立場をとらない限り、将来の状況は悪化するという見方が出されました」。
「文明間の衝突の理論に対する批判は広範囲にわたり、私も改めてこの理論を拒絶します。」「西洋に代表される文明の中心にとって最も危険であるとしてイスラーム文明を衝突の対象にすることを我々は拒否してきました」。
「こうした理論は、特定の政治手法を代表しています。」「文明間のランク付けという妄想に基づいた諸国民の間の理論的および物理的ないざこざを回避するために我々全員は文明間の対話を選択しなければなりません」。
「米国とイスラーム世界の間の関係を強化するために求められる措置とは何でしょうか。」「第1点は、国連憲章や人道的な国際法、世界人権宣言などの規定を誠実に遵守することです」。
「第2点としては、我々は、米国とイスラーム世界の間の関係の今の現実を認めなければなりません。」「次に我々は、パレスチナ問題および中東の紛争の解決を最大限に重要視しなければなりません。パレスチナ問題は、米国とイスラーム世界の間の緊張および相互不信の主要な根源であるため、最大の課題はこの点にあります」。
「第3点としては、相互にそれぞれの特殊性を尊重し合い肯定的な共生文化を広めるという原則に立ちお互いの社会を紹介することを目的とする啓発プログラムに大きな関心を置く必要があります。」「そこでは、諸文化間の相互理解を強化し宗教的・文化的信条を相互に尊重することにおいて政治指導層と一般世論を導く層には特別な責任があります」。
「第4点としては、様々な社会の特殊性に合致する原則に則り政治改革政策および民主主義構築の実践を開始する必要があります。」「イスラーム世界の数多くの社会に蔓延っている個人の疎外や抑圧と受け取られることがないよう、法律に則って自分たちの運営において個々人が発言する必要があります」。
「第5点は、政治開発は、経済開発の真剣なプログラムが伴わない限り、それだけでは無意味であるということに表れています。」「大いに悪化している貧困と失業の問題は、不正義と抑圧を感じさせる源となっており、暴力や破壊をもたらしています。」「開発から望まれる目的を実現するには、差別することなく社会の全ての個人の利益となるよう、現存の資源と理性的能力を利用することにかかっています」。
「第6点としては、発展のために必要な知識を開発するために、社会として要求され受容可能な意思をターゲットとするよう教育プログラムを策定することに大きな関心を払うことが求められます。」
「第7点としては、将来の世代を代表する若者の問題に関心を払うべきです。」「労働機会を創設するとともに若者たちを政治的・経済的・社会的にエンパワーすることを促す政策の実施を目指す必要があります。何故ならばこうしたことは、いざこざや暴力をもたらす緊張の幅を狭めることを保証するからです」。
「第8点としては、客観的で責任あるメディアを普及しそれを奨励するために有効な計画を策定することなど、米国とイスラーム世界の間の関係を強化するために必要な措置をとることです。」「メディア機関の上層部は、仕事において遵守される自主行動倫理を発展させることができます」。
「第9点としては、我々は、現代の我々の世界は均衡を失っており、強者と弱者、富者と貧者、知識人と無学の者の間のギャップが大きなものとなっています。このギャップは挫折感や絶望感を広め、相互不信、紛争・暴力の扇動をもたらすものであり、その穴埋めのために努力しなければなりません」。
「第10点としては、社会の間の架け橋を築き、対話・相互理解を強化する必要があります。これらは、交渉を通じて関係当事者に受け容れられる紛争の解決を保証する政治意思を形成することを手助けします」。
「第11点としては、貧困の撲滅に努めることです。貧困の継続は絶望・抑圧・疎外といった感情をもたらし、こうした感情が政治的弾圧と結びつけば、過激主義や暴力を引き起こしかねません」。
「最後、第12点としては、その背後に隠れた原因を探る政策で以ってテロ行為を防ぐ必要があります。テロ行為を防ぐには、必ずしも純粋に軍事的な手段による必要はなく、その解決を保証する手段によってなされるべきです。」「国連が2006年9月19日より開始した『テロ防止世界戦略』の重要性を確認するべきです」。
「我々は、文明間の衝突の回避を保証する手段について話しています。2006年11月13日に提出された文明間の対話に関するハイレベル委員会の報告書が、同月18日に国連総会で非公式に議論されました。」「同報告書には、重要な政治分析や診断が含まれており、検討・熟考およびその実施に必要な政策の承認に値する数多くの提案がなされました」。
「最後に、我々は全員、イスラーム世界の国内レベルにおいて改革や民主主義的建設、開発を呼び掛けます。我々は国際関係レベルにおいてもこれらのことを呼び掛ける重要性を理解すべきです。」「我々は、国際機関において善意に拘束されることによって民主主義的行動精神を普及させることに特別の関心を払う必要があります。何故ならば、このことこそが、共通の利益のために様々な利益の均衡を実現するための唯一の手段だからです」。
「我々はお互いに自分たちの見解の相違を理解し尊重しなければなりません。そして、忍耐と平和的な手段で以って自分たちの相違を克服するために活動すべきです。何故ならば人類の運命は一つであり、それはこの地球上で共有されているので、お互いの善となるよう共存していく他に道がないからです」。
「同様に我々は、これらを実現する手段を実施するには国際社会のメンバーが団結してそれぞれの負担を背負わねばならず、全ての国家・社会は同じ能力ではないということを理解しなければなりません」。
オープニング・セッションではアラブ連盟のアムル・ムーサー事務総長も演説を行い、同フォーラムを招致したことによりカタルが、国際的・地域的に重要な中心、及び異なる文化・テーマに関する対話の場となったことを確認した。
同事務総長はまた、ネオコンが打ち立てた文明の衝突理論など米国とイスラーム世界の間の関係に悪影響を及ぼした機微な問題にも言及した。 |